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独自のスタイルで突っ走る オーベルジュメソン ウエディングの秘密


by meson-style
先日おこなわれた結婚式。

●自分たちがどんな人と結婚しようとするのか、きちんと知ってもらうこと。
●親族を中心に、お世話になった方々が一堂に会する一度きりの機会に、
 みんなに親しくなってもらいたい。

そんな想いを込めて、準備と企画がはじまった。


お二人のご実家は大津なのだが、
彼の勤務地が愛媛のため、すでにお二人は愛媛に居住されている。

彼女が打ち合わせのために、わざわざ帰省されるという形で、
少しずつ、形が出来上がってくる。

当日の約半月前、彼女一人が帰省され、準備に集中。
彼は直前に帰省し、進行の確認と、
ご自身にしかできないことに集中された。

そんな形で、むかえた当日。

僕たちの想像を上回る、暖かな結婚式になった。


この中で、何よりも早く決まっていたことは、
誰よりもよくお二人のことを知っているお母さんに、
お二人の紹介をしてもらおうということだった。

お父さんにも、何かを役割を担っていただこうと、
自分の子どもへのメッセージを手紙を準備していただくことになった。

事後に新婦のお父さんに「すてきなお手紙でした」とお声をかけると、
「いやぁー、最初はそんなことできるかって、抵抗したんですけどねー」と
晴れ晴れしたお顔でお話されていた。


結婚式の2日後には、愛媛にお帰りになるとお聞きしたので、
お二人にこんなメールをお送りした。
実は、この結婚式を通して、また新たなことを学んでしまったのだ。


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本当におつかれまでした。
無事にお帰りですか?


当日は、想像以上に素敵な日になったんじゃないでしょうか?
ぼくたちも、びっくりです。
そして、あらたに勉強できたもたくさんありました。


たとえば、ご両親の果たされた役割についてです。
ご両親は、「自分たちはどれほど、あなたを大切に育ててきたか」というメッセージを
発せられたのだと思います。

それは、おそらくお二人が想像以上の内容だったのだと思います。

それを聞かれていた、ご家族・ご親族・お友達はどう聞かれていたでしょう?
「そんなに大切に育てられた人が、
私たちの一員になるんだったら、大事にしてあげよう」
きっと、こんな感じに受け取られたんではないでしょうか?


お二人が、「お互いの親族ができるだけ親しくなれる機会に」という
当初からイメージされていたことが、
ご両親が果たされた役割で、
実現できてしまったというような気がしました。

「こんなことになっちゃうんだー!」と、驚いたんです。

「席替え」なくても大丈夫でした。(笑)


もちろん、そのベースにはいろんな想いを込めて、
ひたむきに準備されてきた〇〇さんと、
短時間で一気にテンションあげて準備された〇〇さんの努力があってこそのことです。

お二人の誓い言葉には、感動してしまいました。


また、帰省されたときには、遊びにおいでください。
また、お会いできるのことを楽しみにしています。
では、また。



<第12回>ご両親の役割は、こんなにも大きかった。_a0154687_7385351.jpg






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# by meson-style | 2010-03-23 18:32
世界のウエディングを経験してきた
東京の外資ホテルの総支配人はこんなことを語っている。

「どこの国でも、各国の文化や風習に根ざしたウエディングが行われています。ですから、日本だけを特別視しているわけではありませんが、ユニークだと思ったのは、当日までのプロセスです。進行企画のほとんどをホテルに委託するプロセスは、日本独特です。他の国では、カップルがチェックリストを持ち、自分自身で進めています。」


ホテルも含む、日本の多くの結婚式会場は、
パッケージ化され、進行もひな形をベースに決められていくことが多い。
結婚されるお二人に残されている余地は、
「手首のスナップ」程度になってしまう。



「僕たちの結婚式、どうでしたか?」


メソンでは、結婚式の翌朝(宿泊されるケースが多いため、このタイミングになることが多いのです)、こんなふうに感想を聞かれることがある。


通常、私たちのようなサービス業の場合、
感想を聞く側は、サービスを提供する側だ。
「お味はいかがでしたか?」
「ご満足いただけましたか?」
お客様の側から、「私たちってイケてました?」なんて聞かれることは、皆無のはずだ。



住宅を例に考えれば、わかりやすいだろうか。
建売住宅やマンションを購入して、
売り手に「僕たちの家、かっこいいですか?」なんていう問いはありえない。
施主がプランを作った家について、
大工さんに「この家どうですか?」っていう問いはありえる。


世に「オリジナルウェディング」なんていう言葉が存在するが、
「僕たちの結婚式、どうでしたか?」という問いを発っしたくなるウェディングって
どれほど存在するのだろうか?


一生に一度、お二人が自立するにあたって、
これまでお世話になった人々をご招待するパーティー。
これまでの感謝の意を伝え、楽しんでいただこうと、
お二人が一から考える。

だからこそ、この問いを発したくなるのだ。


とあるウェディングの翌日、
感想を求められた僕は、「メソン史上、最高に大変な一日でした」。
それに対して新郎は、「そういっていただけて、光栄です」と。

もちろん、この日に向けてのお二人の毎日の様子を知る由もないが、
とてつもないエネルギーをかけて準備されてきたのは、
当日を迎えてみると良くわかる。



こうして作り上げた結婚式は、お二人にとってとてつもない充実感をもたらす。
そんなふうに作り上げる経験をされた3組のカップルのインタビューもぜひお読みください。



<第11回>自分たちでつくりあげるという考え方。_a0154687_1692243.jpg







(次回へ)

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# by meson-style | 2010-01-29 10:31
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両親をはじめ、親戚や友人、知人など列席してくれたゲスト全員の前で
結婚の誓いを立て、承認していただくのが人前式。
決められた型がなく、セレモニーを自由に組み立ててアレンジできるため、
個性的な結婚式を実現させたいオリジナル派のカップルにピッタリです。

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「人前式」を調べてみると、こんな解説だ。

結婚情報誌の調べでは、実際に行われる結婚式のうち、
人前式がしめる割合は、約2割。
しかし、メソンでは9割ほどがこのスタイルで行われる。

メソン側から、強制も誘導もしていない。
「既成概念」のようなものを、
気にしないお二人が多いということなのだろう。


さて、先日「人前式で大切なことは、こういうことなのかもしれない」という
思いにいたった結婚式が行われた。

このお二人、昨春に入籍を終え、すでに大阪で同居。
だから式の中でも、「指輪の交換」や「誓いのキス」など、
形式的なことはすべて排除したいという、自分に素直な方々だ。
それだけに式自体は、実にシンプル。

お二人のお母様が、それぞれ子どもの生い立ちを紹介することと、
お二人がお互いへの「誓いの手紙」を読みあうという要素が柱だった。

その場は、本当にあたたかさと感動に包まれた。


特に演出もない、シンプルな結婚式が
どうして、こんな空気に包まれたのか?

ゲストが本気で、このお二人の結婚を「承認」あるいは「祝福」してあげようと思ったからだ。

そこには、母親二人からの自立しようとする子どもへの「本気」のメッセージと
結婚する相手への「本気」のプロポーズの言葉があった。

その場にいた全員が、「本気」だったのだ。


この雰囲気をつくりあげるには、
宗教色のある式ではむずかしい。

全員でつくりあげる「人前式」ならではのことだと思う。


「人前式」にも標準的なスタイルが、すでにある。

でも「承認」という行為を本当に大切にしようとするのなら、
承認を得ようとする二人は、
結婚する相手とゲストに熱いメッセージを伝えるのだ。
そうすればゲストは本気で「承認」してくれる。

結局、「どうして私はこの人と結婚しようとするのか?」と、
その気持ちの熱さを表現するお二人の構えが問われるのが
「人前式」ということなのだ。



<第10回>人前式というスタイル②_a0154687_1610594.jpg
# by meson-style | 2010-01-29 09:23
メソンには宗教色のない「チャペル」がある。
牧師さんも神主さんも、そのスペースで儀式を行うのだが、
メソンで行われる結婚式の9割は人前式だ。


先日、とあるブライダル業界紙が届いた。
かなり露骨に業界の裏側を表現しているのがおもしろい。
ちょっと長くなるが、人前式に関する記事があるので引用してみる。

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約20年前、独立型チャペル挙式場の急増により、神前式からチャペル挙式へ結婚式の挙式スタイルが変化した。2009年は芸能人の影響を受け、和のウエディングブームが起こった。しかし、中心は本物の神社であり、ホテル・式場内の神殿は土日でもひっそりしている。
結婚式に対する価値観が変化する中で、約15年間人気を維持していたチャペル挙式も、その勢いは弱まってきた。それは国民の多くが無宗教であり、なぜ牧師に夫婦となる契りを交わさないといけないのか、また挙式列席者として、信者でもないのに、賛美歌を歌うのかという疑問が沸いてきたからだ。
そこで台頭するのが新郎新婦、そして親と親類縁者や友人に新たなる門出を誓い、祝う第3の挙式「人前式」だ。
以前からスタイルとしては存在するが、約10年たった今でも16%~17%に過ぎない。チャペル挙式と比較すれば歩みは遅い。しかしそれは業界として「人前式」のスタイルが確立されていなかったことに起因している。日本独特の式次第を業界として創り上げることで、宗教色のない、本当の意味で自分たちの言葉で夫婦となることを誓い合える挙式が誕生するだろう。

(中略)

これまでは、披露宴会場内やロビーなど、所定まらず実施していた。不特定多数の人に祝福されることが売り文句だが、ロビーなどオープンであるほどに見世物的で納得いかない。なんとなく安っぽく感じさせてしまう。
そこで欠かせないのが、人前式専用の挙式会場だ。………

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結婚式が「なりわい」として成立して、数十年。
結局、日本のブライダル業界はブームはつくりだしてきたが、
「日本人の結婚式」を確立させるに至っていないということなのだろう。


最近、ラグビー選手の本を読んでいてこんな言葉に出会った。

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実は、本当の意味でのパスの本質を教わったのは大学生になってからなんです。それまでは、こういうふうに放れという形だけを教えられてきました。手首のスナップをこう使えとか、もっと腰を入れろとか。ところが、パスというのは自分よりも有利な選手にいかにボールを移動させるのかが本質なんです。

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結婚式にも同じことが言える。
結婚情報誌などには「手首のスナップ」の話は満載だが、
「結婚式ってなに?」「どうして結婚式するの?」という本質がなかなか問われない。

自分たちにとっての結婚式を見出したカップルの例をご紹介しましょう。


<第9回>人前式というスタイル①_a0154687_1613201.jpg







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# by meson-style | 2010-01-28 19:26
「自分の家にいるようにくつろげるさま」

「アットホーム」を国語辞典で調べると、こんな意味だ。
日本では「アットホームな」のように
形容詞的につかわれることの多い言葉だ。



「和製英語っぽいな」と思って英和辞書を引くと
実は「 家庭招待会:招待者側が在宅の日時を知らせておき,
客はその時間内の適当なとき(通例午後)に現れる略式のパーティー」という
れっきとした英語の名詞なのがわかる。

つまり、自宅で開くパーティーのスタイルをさし、
日本語では、「ホームパーティー」という言葉が近そうだ。


最近、ウェディングの希望のカップルとお話していて、
「アットホームな感じにできれば」とおっしゃる方が増えてきたように感じる。

ありのままの自分たちでいること、ゲストにも不必要な緊張感をしいないこと、
わざとらしさのある演出などを排除すること、
なによりもゲストとのコミュニケーションを大切にすること……。

「アットホーム」に込める想いは、たくさんあると思う。


ブライダル業界では、「アットホーム感」を「貸切」で表現しようとしているむきがあるが、それだけでは足りない。


じゃあどう考えればいいか?
結婚を機にホームパーティーを開くと考えてみては、と思う。
何を準備すればいいか?
食事、飲み物………。
あとはみんなと楽しくおしゃべりができればOK。
あとは、なにしたらいいかなぁ。
せっかく来てもらったんだから、お帰りのときにちょっとしたギフトでも渡せたら…。
そんな感じじゃないかと思う。

だけど、何十人もの人が集まるスペースがないし、
そんなたくさんの料理や飲み物を準備するのも大変。
だからその部分は、お店に依頼したらいいか、と。

ホームパーティーの延長線で、
ご自分たちのウェディングをイメージしてみたらいいのだ。
それが、「アットホームな感じ」を実現する第一歩になる。


ただ5人のゲストと、数十人のゲストのもてなし方は多少違う。
そこは私たちと一緒に智恵をしぼろう、というわけだ。


メソンで数多く行われる「プロの司会者がいない披露宴」は、その一例だ。
だってホームパーティーには、司会者は必要ないのだから。


<第8回>「アットホーム」ってなんだろう?_a0154687_16141281.jpg







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# by meson-style | 2010-01-23 19:51